ちいさくてうすくてやっかいなもの

きょうも娘の爪を切りそびれた。起きて遊んでいれば、ぷくぶくの指の先で静かにとんがる爪がふと触れて、ああ、もうこんなに伸びた、切らなきゃ、と思う。でもせっかく上機嫌にボールをかきまぜているからあとにしよう。

おひるね布団で寝ついた顔の横でゆるく握ったこぶしを見れば、ああ、真ん中がほぼ三角になっている、あぶないあぶない、と思う。でも起こしてしまうかもしれないからお皿を洗ってからにしよう。そうしていつでもちいさな凶器の処置は後回しにされる。というか、脳のふしぎなはたらきで、こんなに来る日も来る日も爪のことばかり考えているのにまだ切ってないなんてなにかの間違いという気がしてくるのだ。

むつかった拍子にカリリとやられて、しまった、と我に帰ってももう遅い。ねこもいないのに、ねこ傷を頬にあごにきょうももらった。まだじぶんの顔だからため息ですむけれど、これが娘の顔だった日には、自己嫌悪もひとしお…。

ずぼらな母でごめん。あしたはきっと爪を切るよ。どんなに暴れても取り押さえて切るよ。それとも、脚の上でくったりと新生児のように身を預け、お姫さまのようにおまかせしてくれるだろうか。

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